インフォデミック

災害や大事件の際に広がるデマ。
昨今ではこの現象を「インフォデミック」と呼び、正しい情報よりも偽の情報が拡散してしまうため、
大きな社会問題になりつつあります。
ITが正しく使われていない一例とも言えますが、デマを含むインフォデミックにはどのように対処すれば良いのでしょうか。

 

OUR THOUGHT

インフォデミック(infodemic)は、デマを含むフェイクニュースが、本当に伝えられるべき情報よりも早く、かつ広範囲に広がることを指します。

情報という意味のインフォメーション(information)と、感染症が爆発的に広がるという意味のパンデミック(pandemic)を掛け合わせた造語で、2020年のCOVID-19のパンデミックの際に、WHO(世界保健機関)が使用した造語になります。

新しい脅威に対しては、人間は猜疑心が強くなってしまい、しばしば「普通に考えるとおかしいと思う情報を信じてしまう」という状況に陥りがちです。

COVID-19の際には、「花崗岩にはウイルスの殺菌作用がある」「ウィルスは熱に弱く、高温のお湯に効果がある」などの非科学的で根拠のないデマが広がりました。

日本においては「トイレットペーパーが不足する」「整腸剤に強力な効き目がある」などのデマが広がり、実際には供給力に何の問題もないトイレットペーパーが本当に品不足となるなど、大きな影響を与えました。

通常、情報は聞き手がどう思うかによって、その真偽は簡単に見抜けます。

しかしそのデマに「とある有名な学者が…」「ある政府機関の情報筋が…」という情報が付いていると、いかにも本当らしい話に見えてしまうため、信じてしまいがちになります。

さらに、情報そのものは「善意をもって広げようとしている」人が多く関わるため、良かれと思いどんどん拡散していきます。

インフォデミックは、拡散のスピードと範囲がとても広く、多くの偽の情報に埋もれて本当の情報が届かない…という危険性を持っています。

インターネット上の情報には真偽不明なものも多く、それを見極める力、つまり情報リテラシーが必要になります。

逆にテレビなどの情報源も、視聴率を上げたいといった目的などから、テロップや音声では「デマです」と説明があるけれど、同時に流れてくる映像では「パニックとなっている人や街の姿」を取り上げがちになります。

映像情報で派手に見えるほうがインパクトが強烈で、真実の情報がねじ曲がって伝わる(あるいは意図的にねじ曲げられる)こともしばしば起こります。

これは、目で見ている情報と、耳で聞いている情報との間で矛盾が生まれ、印象に残りやすい映像による情報のほうが、その場で起こっている事がそのまま伝えられている…と勘違いし、音声による本当の情報が(伝えられているにもかかわらず)過小評価されてしまう…という現象とも言えます。

デマは自然発生的に起こるものと、悪意を持って捏造されたものとに分かれます。

前者はともかく、後者はとても悪質であり、大きなパニックを引き起こす引き金となりえます。

そしてそのような行為に対して、日本では明確な法的規制が無く、本当の意味での法的な抑止力が効いているとは言い難い現状もあります。

2016年の熊本地震の際、「ライオンが逃げた」というデマを流した者は逮捕されましたが、起訴猶予という形で事実上の無罪放免となっています。

デマを発生させる者に悪意があり、法的抑止力が効いていない以上、デマを含むインフォデミックからは自己防衛せざるを得ないというのが実情です。

デマを見抜く方法としてよく言われるのが、「ひとつの情報源からだけで判断するのではなく、複数の情報源から判断する」というものです。

様々な問題はありますが、公的機関が誤った情報を流すことは非常にまれであり、これらの機関が発信している情報の信頼性は非常に高いと言えます。

一方、アクセス数を稼ぎたいニュースサイトや、名前が広く知られていないマスコミなどが流す情報は、その中に本当の情報があったとしても、一歩引いて考える必要性があります。

また、基本的な知識に立ち戻って考えるのも、デマを見抜く方法としては有効です。

「高温のお湯に殺菌効果がある」というのは間違いありませんが、やけどをするほどの温度のお湯を飲むのは、誰が考えても危険です。情報が真実であるという証拠が得られない、というものにも注意が必要です。

例えば「ウィルスは某国の生物兵器である」という情報は、誰もその真偽を推し量ることはできません。「某整腸剤はウィルスを破壊するから効果的」という情報は、薬の持つ成分とウィルスの特性をほんの少しでも知っていれば、非常に考えにくい内容であることは明白です。

そして本当の情報の中に嘘の情報を織り交ぜて拡散する…という方法にも注意が必要です。例えば、常識的な項目が10個並んでいて、そのうち1つに嘘の情報が混じっていたとしたら、その嘘の情報には真実味があります

トイレットペーパーのデマでは、「嘘から出た実」となりました。デマとはわかっているけれど、実際にモノが無い状態を目の当たりにすると、冷静さを失ってしまい…というケースも数多く見られました。

これは非常に厄介なケースであり、転売などの意図のあるなしに関わらず、買い占められてしまうと実際に買いたいモノが無いため、対処方法がありません。

インフォデミックの問題とは少し違いますが、仮にデマが発生して一時的な物不足になっても、それに対抗しうる備蓄を普段から心がける…といった手段が必要になります。「備えあれば患いなし」とは昔から言われますが、まさにその通りと言えます。

現代の社会はとても簡単に情報を得られる時代となり、ITはその一翼を担っています。しかしあまりに多くの情報に短時間に接することで、いわゆる「気疲れ」を起こすこともしばしばあります。

煽情的な情報源は、あなたにダメージを与えたとしても、何の責任も取りません。しかしながら、それらの情報は強制的に見せられない限り、情報を取捨選択する権利は、あなたにあります。ITコンサルティングを生業とするわたしたちが言うのも矛盾しているのですが、時には接する情報を最小限にコントロールすることも必要と言えます。

Our Commitment

インフォデミックに立ち向かうポイント

・情報を冷静に見極める「情報リテラシー」を身に着けましょう。
・常識と科学に立ち戻って、冷静に考えましょう。
・派手な情報には、常に「別の意図がある」と捉えて判断しましょう。
・精神的に参ったと感じた際には、好きな音楽や映画、アニメやゲームで息抜きしましょう。
・デマを流す人間に負けないよう、備えを万全にしておきましょう。